第3章 十字架の死と復活
しかし、神様はそのような事態になったとき、罪をおかした人間に背を向けるようなことはなさいませんでした。神様は、ひとりとして滅びてほしくないと願い、人間に御自身の存在を様々な方法で示し、もう一度私たちと創造主との関係が回復され、体も心も罪の結果から救われることができるように、私たちに救い主を送ってくださるという約束を与えたのです。 この救い主は、人間の過ちをすべて正し、私たちを自分たちの罪深さと罪からくるのろいと裁きから救ってくださることができるお方である、と神様は約束されました。
そして、今から2000年ほど前、神様の計画の時が満ちたときに、神様は「イエス・キリスト」という救い主を世界にお与えになりました。この方は、学校教育も受けていないのに、神様の知識をもち、完全な美徳を身につけており、常に一緒に行動していた弟子たちの目から見ても欠点が何一つ見られませんでした。そして、奇跡と呼ばれる超自然的な力で病人を癒し、神の権力をもって人の罪を許されました。そして自ら創造主の意思を伝達する、預言されていた救い主であると断言し、神様の愛と許しを言葉と行動によって示されました。
しかし、イエス様の最も重要な役割は、人の病を癒すことではなく、人間の抱えている罪という問題から人間を解放することでした。その方法は、罪のなかったイエス様に人間の罪をすべて負わせて、人間の罪の罰を代わりに払わせる、ということでした。 それは、イエス様が人間の代わりとして、神様が与える命から切り離されるということでした。罪のない人が、罪びとの罪を代わりに背負って罪の代償を払うことによって、正しい神様と罪をもった人間の関係が回復できるのです。
人間の救い主であるイエス様は、自ら進んで人間の罪を背負い、十字架という当時の中では最も残酷な処刑方法で、人前で罪の代価を支払われました。
神様は、イエスの支払った代価が神様の正義と愛を両方まっとうするのに十分であるとされました。そして、人間を束縛していた罪の死という力を完全に打ち破るために、イエス様を3日後に死という状態から復活させました。 死人をよみがえらせるということは奇跡であり、まことの神様だけができることです。イエス様を復活させることで、イエス様自身が十字架に架かる前に語っていた「罪の許しが現実のものである」ということと、「キリストが預言されていた救い主であった」ということを証明されました。
このことは、否定しようがない歴史的な事実です。この出来事と、その影響力の大きさを体験した人たちは新しく燃え上がり、人間の文化に新しい花を咲かせ、世界の文明の歴史を大きく変化させました。新しい西暦という暦がもたらされたのも、イエス様が生まれた年から数えてのことです。
- ヨハネの福音書 3章16節
- 神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。
- ヨハネの福音書 5章19節
- そこで、イエスは彼らに答えて言われた。「まことに、まことに、あなたがたに告げます。子は、父がしておられることを見て行なう以外には、自分からは何事も行なうことができません。父がなさることは何でも、子も同様に行なうのです。
- 第二コリント人への手紙 5章21節
- 神は、罪を知らない方を、私たちの代わりに罪とされました。それは、私たちが、この方にあって、神の義となるためです。
- 第一ペテロの手紙 3章18節
- キリストも一度罪のために死なれました。正しい方が悪い人々の身代わりとなったのです。それは、肉においては死に渡され、霊においては生かされて、私たちを神のみもとに導くためでした。
- ローマ人への手紙 6章23節
- 罪から来る報酬は死です。しかし、神の下さる賜物は、私たちの主キリスト・イエスにある永遠のいのちです。
- ヨハネの福音書 19章16節~30節 (他:マタイの福音書 27章26節~31節、マルコの福音書 15章21節~47節、ルカの福音書 23章26節~43節)
- そこでピラトは、そのとき、イエスを、十字架につけるため彼らに引き渡した。
- 彼らはイエスを受け取った。そして、イエスはご自分で十字架を負って、「どくろの地」という場所(ヘブル語でゴルゴタと言われる)に出て行かれた。
- 彼らはそこでイエスを十字架につけた。イエスといっしょに、ほかのふたりの者をそれぞれ両側に、イエスを真中にしてであった。
- ピラトは罪状書きも書いて、十字架の上に掲げた。それには「ユダヤ人の王ナザレ人イエス。」と書いてあった。
- それで、大ぜいのユダヤ人がこの罪状書きを読んだ。イエスが十字架につけられた場所は都に近かったからである。またそれはヘブル語、ラテン語、ギリシヤ語で書いてあった。
- そこで、ユダヤ人の祭司長たちがピラトに、「ユダヤ人の王、と書かないで、彼はユダヤ人の王と自称した、と書いてください。」と言った。
- ピラトは答えた。「私の書いたことは私が書いたのです。」
- さて、兵士たちは、イエスを十字架につけると、イエスの着物を取り、ひとりの兵士に一つずつあたるよう四分した。また下着をも取ったが、それは上から全部一つに織った、縫い目なしのものであった。
- そこで彼らは互いに言った。「それは裂かないで、だれの物になるか、くじを引こう。」それは、「彼らはわたしの着物を分け合い、わたしの下着のためにくじを引いた。」という聖書が成就するためであった。
- 兵士たちはこのようなことをしたが、イエスの十字架のそばには、イエスの母と母の姉妹と、クロパの妻のマリヤとマグダラのマリヤが立っていた。
- イエスは、母と、そばに立っている愛する弟子とを見て、母に「女の方。そこに、あなたの息子がいます。」と言われた。
- それからその弟子に「そこに、あなたの母がいます。」と言われた。その時から、この弟子は彼女を自分の家に引き取った。
- この後、イエスは、すべてのことが完了したのを知って、聖書が成就するために、「わたしは渇く。」と言われた。
- そこには酸いぶどう酒のいっぱいはいった入れ物が置いてあった。そこで彼らは、酸いぶどう酒を含んだ海綿をヒソプの枝につけて、それをイエスの口もとに差し出した。
- イエスは、酸いぶどう酒を受けられると、「完了した。」と言われた。そして、頭を垂れて、霊をお渡しになった。
- 使徒の働き 2章24節
- しかし神は、この方を死の苦しみから解き放って、よみがえらせました。この方が死につながれていることなど、ありえないからです。